日本知的財産翻訳協会(以下、NIPTA)が2004年9月から中国・北京市で行ってきた「日中知財翻訳者育成事業」は、2005年1月12日に修了式を行い成功裏に終了しました。この事業は日本貿易振興機構(JETRO)のODA(政府開発援助)事業として行われたもので、NIPTAは事業公募当時法人格を有しなかったこともあり、株式会社知財翻訳研究所との共同提案事業として応募し実施しました。
2004年には日本から中国への特許出願が30,000件を超える中で、日中知財翻訳者の不足は深刻な状況にあり、多くの中国関係者から翻訳者の育成が求められています。
NIPTAでは、中華全国専利代理人協会(中国弁理士会)と共同で北京に実施組織を設置し、2004年11月1日から12月18日の9回、機械、化学、電気の3分野別に講習を行いました。
講習は、共通授業(2日)と演習に分かれ、講師(PDF形式8KB)は、共通授業は日本人講師(3名)が、演習は中国人講師(6名)が担当、演習は日中両国で出願・公開された日本の特許明細書を教材に毎回宿題を課すという演習形式(PDF形式16KB)で進められました。
講習会は、162名が受講し、講習9回中7回以上出席、宿題7回中5回以上提出、修了試験75点以上という条件の全てをクリアした者115名に、修了証を交付しました。
NIPTAでは、当初この講習会と並行して日中知財翻訳能力検定試験の実施を企画していましたが、翻訳に関する検定試験は中国政府の許可が取れず、また、諸般の事情で試験成績の公表も見送りました。しかし、今回の受講者の試験成績は、「翻訳者として仕事ができるレベルにあると認められる者」(試験成績95点以上・・・試験のミス1箇所以内)が54名(47%)で、「翻訳者として不安は残るが仕事は可能の者」(試験成績85点以上・・・試験のミス2〜3箇所以内)と合わせると100名(87%)となり、講習会は成功したといえます。
翻訳者の育成事業は、継続してはじめて意義があり、中国弁理士会はじめ関係者からも本事業の継続を強く望まれていることから、NIPTAでは引き続き関係者と事業継続についての検討を行って参ります。
なお、本事業の概要等は「日中知的財産翻訳者育成事業報告書(要約版)」(PDF形式78KB)をご覧下さい。
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