1級/知財法務実務
第33回 知的財産翻訳検定 1級/知財法務実務 講評
【問1】
「人工知能システムは特許制度上の発明者となることができるのか?」
このような問題が、様々な国や地域の特許所管官庁、裁判所において議論されています。発明者として、「DABUS, The invention was autonomously generated by an artificial intelligence.」が記載されている特許出願が、パリ優先出願、PCT国際特許出願を通じて、ヨーロッパ、イギリス、ドイツ、アメリカ、日本、オーストラリア等でなされ、いまそれらの特許出願についての手続が進行しつつあるのです。イギリス、アメリカ等ではAIシステムが発明者とは認められず権利化は難渋しています。一方で、2021年7月30日、オーストラリア連邦裁判所は、発明者が人間でないとして特許を認めなかった特許庁の判断を覆してAIシステムを発明者と認める判断を示しました。もちろんこれは最終判断ではありませんが、これらの出願によって提起された冒頭の問題は、今後もしばらく話題を提供するとともに、特許制度のアップデートを迫るものと言えそうです。
本問は、このような背景から、特許制度の根幹に関わる問題に関連して、特許に関する用語、表現の習熟度、翻訳力について試問することを目的として出題しました。
全体としては、オーストラリアの裁判官が起草した判決文ということもあるのでしょう、出題者の立場からしても、持って回ったように感じられる文章が散見されるように思います。個人的には、特許制度の本質に関わるきわめて現代的な問題を判断するに際し、裁判官が感じている高揚のようなものが現れているとも言えるように感じます。余談ですが、参考解答は、そのような出題者の受けた印象を踏まえて少々芝居っ気を交えて作成してみました。
以下、採点を通じて気が付いた点をシェアさせていただきます。
・”An inventor may be an artificial intelligence system,...could not be the owner,...”の文章は、文法的には仮定法の構造をとっているので、couldを生かして、断定でなく推量(「であろう」)の意味を含ませるように訳すのも一法と思われます。ただ、試験委員の米語ネイティブ話者によれば、仮定法の形式をとっているものの、かなり強く言い切っているように響く、という印象を持ったそうなので、断定的に訳しても問題はないと考えます。
・”...unless clearly required by its terms or its context,...”のフレーズでは、termsの訳語として、contextに対応する「用語」が適当すると思います。
・"s 2A"はそれ自体では意味が不明瞭ですが、問題文の段落13最後の2センテンスを見ると、どうやら特許法の目的条項「セクション2A」のことを言っているのがわかります。したがって、ここは、特許法第2A条等と書き下すと親切です。
・"...the Commissioner’s argument descended into...."は、文字通り「〇〇に落ちている」というよくないニュアンスが感じられると思います。訳語の選定もそのニュアンスを活かして選ぶとよいかも知れません。
・"...mere resort to old millennium usages of that word."は、次のセンテンスを参考にすると、「長期間の硬直化した言葉の使い方」の意を表現しているように思われます。したがって、必ずしもmillenniumの辞書的訳語である「1000年間、千年紀」といった訳にとらわれることなく上記の意を汲んだ翻訳をしてもいいと思います。
・"Holmes J"は、引用されているTowne v Eisner, 245 US 418, 425 (1918)から知られるように、アメリカ最高裁判事を務めた著名な裁判官です。したがって、例えば「ホームズ判事」と書き下しておくのが親切と思います。
・"the skin of a living thought"は訳しにくい表現ですが、「生きている(living)思考(thought)→「言葉は思考という生き物を覆っているskin」ととれば、skinをずばり皮膚とか外皮と訳してよいと思います。このあたりは工夫のしどころとも言えましょう。
本問のトピックは、今後も要注目です。そして、本検定試験では、これからも知財界の最新動向を加味したusefulな出題を考えていきます。チャレンジをお待ちしています。
【問2】
「知財法務実務」の翻訳に携わる方とは、特許事務所・法律事務所、企業内知財部・法務部等のそれぞれの立場において、いわゆる特許明細書翻訳以外の翻訳ニーズを満たすことを期待されている人材との想定の下、「知財」の名の示すとおり特許以外の分野にも「法務」の名の示すとおり権利活用・行使の場面にも対応することのできるジェネラリストとして、かつ法律関連文書を取り扱うことのできるスペシャリストとしての力量を試すことを目的としています。
上記に鑑みて、本問では、ジェネラリストとして「あまり知識のない分野の題材であっても、想像力を駆使して設定背景を咀嚼することのできる力」、またスペシャリストとして「文書の細部にまでこだわることのできる力」を見ることに主眼を置いています。したがって、従来から繰り返し強調しているとおり、今回の場合であれば、システム開発や業務委託などの知識は何ら要求しておらず(これらはあれば加点要素です。)、「原文咀嚼」と「細部までの正確性」とをどこまで追求できているかを判断基準としています。
<各小問共通の点として>
・本問では、「engage」という語が条項aの冒頭で登場し、どういう意味なのか捉えにくかったかもしれません。これは、日本語でいうところの「業務委託」です。日本語の業務委託契約書を英訳すると、「委託」の語を辞書通りに訳して、「entrust」だとか「consign」だとかいう訳語をあてがちですが、いかにも翻訳調ですし、「entrust」「consign」をあてがうことによるリスクが生じてきます。業務委託とは、すなわち他人の労務を利用させてもらうことにその本質があるところ、日本語では「自分の仕事」を他人に「委ねて」やってもらうという発想になっているところ、英語では「労務」(又は役務)のために他人を起用する(=engage)とシンプルに発想します。英語の発想では、自分の仕事なのかどうかは論点ではなく、他人を起用することに重点があるのに、わざわざ「entrust」「consign」を使って自分の仕事をやってもらっている感を出すことは、業務委託の本質にはない余計なリスクを付け足していることになります。今回は英文和訳の文脈での紹介になりましたが、和文英訳の際にはより注意したい日英の発想の違いです。
・係り受けの分析が甘いのでは?と思われる解答が見られました。契約条項は、法律文書なので一義的に係り受けが特定できるように書くべきなのが理想ではありますが、現実問題、日々翻訳に依頼される案件としては、一文が長く、意味を捉えていかないと係り受けが分かりにくいものが散見されますので、普段から文脈をよく考えて係り受けを分析する訓練をしておく必要があります。例えば条項aでは「which may be added, deleted or modified from time to time」や「in accordance with the specifications and instructions given by XYZ」がどこに係るのか、一見するとよく分かりませんが、前者については、この挿入句が登場するまでの文脈で、増減変更の可能性があるのは、ServicesかIntellectual Property Portfolioの2択しかなく、しかもIntellectual Property Portfolioの直後に置かれているので、こちらに係る可能性の方が高そうだなと分析します。後者については、それまでの文脈で仕様や指示に従うべきなのは、development and productionか、added, deleted or modifiedの2択に絞られるところ、「仕様」という以上、development and productionの方が相性よさそうだなと分析します。そして全体での意味を考えてみると、「随時増減変更の可能性のあるポートフォリオをXYZが管理するために使うシステムを、XYZの仕様・指示に従って開発・製造する」となり文脈に合致するので、これが正しかろうと判断する流れになります。もしここで文脈上の判断がつかない場合には、2択のいずれにも係るように読める訳文を検討すべきでしょう。そもそも原文が多義に読めるのであれば、訳文も多義に読めるように作っても致し方ないといえます。
条項bでも、「including without limitation …. licensed to ABC in accordance with the preceding paragraph」の句がどれに係るのか一見すると分かりませんが、ここで列挙されている内容は、本システムの一部であったり、本システムの開発に関連する情報・データであったりするので、候補としては、results and proceedsかSystemということになるでしょう。一方、results and proceedsとSystemとの関係に目を向けると、第1行~第3行のところから、results and proceeds≧Systemの関係が明確に書いてあります(「results and proceeds … (including without limitation the System…)」とありますので、results and proceedsの方が大概念でないとこのような記述になりません。)。さらには、Systemに至っては、この3行目までで括弧内にしか登場しませんから、括弧内にしか登場しないような用語をわざわざ後から修飾するだろうか?との経験則からも、小概念のSystemよりは、大概念のresults and proceedsに係ると見るべきと分析していきます。どうしても判断がつかない場合には、条項a同様、どちらにも読めるように訳出しておくことが肝要といえます。
<各小問個別の点として>
・過去から繰り返し強調しているとおり、「定義語」については定義語として訳出しなければなりません。定義語であるにもかかわらず、通常語と区別不能な形態で訳出すると、当該語については、定義を適用せず、通常語として解釈すべきなのか曖昧になります。法律文書としての契約の解釈を大きく変貌させるものであり、法律文書の翻訳文として不適切です。条項aでは、冒頭3行目でIntellectual Property Portfolioという語が「以下に定義する」として、詳細なる定義の前に登場しますが、ここも先頭大文字の定義語として登場している以上、後で定義される定義語と同じ訳語を当てるべき(後において、以下「本知財ポートフォリオ」と訳出するのであれば、ここも本知財ポートフォリオと訳すべき)です。
・条項a中の「patents (utility and design)」に戸惑われたと思しき解答が見られました。日本では、特許と意匠は別物として取り扱われていますが、米国では意匠は特許の一部(Design Patent)とされています。よって、一口にpatentと言っても、utility patent(技術特許=日本の特許)とdesign patent(意匠特許=日本の意匠)とに分かれるという整理になり、ここではその違いに着眼して、「特許(技術特許及び意匠特許)」という具合に訳してもらいたかったところです。
・条項b中の「results and proceeds」に戸惑われたと思しき解答が見られました。業務委託契約(=Service Agreement)では頻出の用語ですが、resultsとは業務(=Services)の成果、proceedsとは業務によって生まれる収益のことを言っています。一括りにして「成果物」と訳してもよいところではありますが、参考解答では一応この区別を残して「成果収益物」と訳出しています。ちなみにdeliverableも成果物との訳語があてられることが多いですが、納入(= deliver)されるものという意味での成果物で、イメージ的には納入物に近いものです。イメージでいうと、deliverable ≦ results and proceedsのように整理することもできるかもしれません。
・条項b中の「design manifestation」に戸惑われたと思しき解答が見られました。これの意味するものは、「外観デザイン」(日本語でいうデザイン)です。英語でdesignというと、設計の意味もありますし、意匠の意味もありますので、特に設計とも受け取れるような文脈では、このように表記して、外観デザインの意であることを明示することが知財・法務の文脈では時々見られます。
・条項b中の「clear any and all third-party rights」に戸惑われたと思しき解答が見られました。ここでいうclear … rightsとは、権利を適切に処理することを意味します(つまり許諾を得るなり買い取るなり、第三者の権利によって妨害されないようにするの意味)。除去するだとか除外するだとか訳された解答もありましたが、日本語としてあまり自然ではないので、「権利処理」という語を覚えておかれるとよいように思います。
最後に、繰り返しではありますが、どの分野の翻訳でも原文咀嚼(字面追いは厳禁)を徹底すること、また法務分野では原文に対して「足さない、引かない」こと、細部までこだわることが質に大きな影響を与えます。残念ながら今回合格とならなかった受験者にも、上記した点などを参考にされ、ぜひ再度チャレンジしていただきたいと思います。
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1級/電気・電子工学
第33回 知的財産翻訳検定 1級/電気・電子工学 講評
【総論】
多くの答案は、総じて高いレベルにあり、受験された皆様の日頃のご尽力が窺えました。合格した方と、惜しくも不合格になった方との間の差は僅かでした。今回のような英文和訳の場合、原文の内容を正確に把握し、漏らさず拾い上げることは勿論ですが、拾い上げた内容を自然な日本語に訳すことが求められます。多くの受験者は、原文の内容は正確に理解されていたようでしたが、惜しくも不合格となった受験者は、日本語にする段階でミスがあった印象です。ミスの原因は、訳語の選定ミス、僅かな翻訳漏れ、最終的な訳文が日本語の体になっていない、などであったようです。残念ながら僅かに不合格となった受講生の皆様は、めげずに再挑戦していただきたいと思います。一方、めでたく合格となった受講生も、今一度ご自身の答案を見直して、改善点がないかを検討していただければ幸甚です。
【各論】
(1)問1は、原子力発電の放射性廃棄物の地中処理に関する問題でした。平素ニュース等をご覧になって情報収集していれば、内容は比較的理解しやすかったのではないかと思います。逆に、そうした知識がない方にとっては、解釈や用語選択が難しい部分もあったかと思います。
ただ、原文の内容は正確に理解したとしても、訳語の選定が一部不適切で、減点の原因となった答案が散見されました。例えば、1行目の「geologic storage」を「地層処分」と訳された答案が幾つか見られました。これは若干強すぎる訳語と思います。日本語の「地層処分」は、「将来の人間の管理に委ねずに済むように、地下深くの安定した岩盤に閉じ込め、人間の生活環境から隔離して処分する」ことを意味している一方(資源エネルギー庁HP)、「geologic storage」は、もっと浅いところに埋め込む処理も含んでいると思われます。また、「gain」を「利益」とされたと答案も多かったですが、これも文脈と合っていません。「利益」は金銭的な意味である一方、ここでのgainは明らかにそうした意味ではありません。訳語の選定には注意をしましょう。
(2)問2は、電子顕微鏡のビームのイオン源の先端部の構造についての説明文の翻訳です。比較的短文で説明されており、比較的理解しやすい内容であったと思います。ただ、問2でも訳語の選定に悩む部分はいくつかあり、その点で不適切な訳語を選んでしまった答案も散見されました。「atomic shelves」は、見慣れない単語であり、どう訳して良いか分かりにくいですが、出題部分以外のところを見れば、文字通り「棚」と訳すか、「層」などと訳すのがよいことが分かります。また、「tip」を文字通り「チップ」と訳したと答案が多かったですが、問題文に「先端部187」とわざわざ記載してあるところ、「チップ」としてしまったのは、若干軽率であった印象を受けます。「チップ」は、電子顕微鏡の分野では使用されず、意味不明な回答になってしまいます。
(3)問3は、ネットワークにおいて端末を管理等する方法に関するものです。背景となる技術自体は何ら難しいものではありませんが、問題文を見れば分かる通り、極めて複雑な「入れ子構造」の文章となっており、この点で、最終的に「読める日本語」、「明確な請求項」にするのが難しい内容と言うことが出来ます。個々のフレーズは正確に訳せているのですが、全体として「工程a)~g)を含む方法」、と読めるように訳すことが出来ていないか、少なくともそう読むのが難しいと思われる回答が多かった印象です。クレームは、新規性や進歩性の審査の対象となりますが、それ以前にクレームが「明確」でないと、審査の対象の土俵に上がることができません(「不明確である」として、新規性や進歩性の審査をしてもらえないことにもなり得ます)。その意味で、明確な日本語と出来ていない答案は、その程度によって減点の対象といたしました。減点となってしまった受験者は、クレームの表現方法について今一度見直してください。
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1級/機械工学
第33回 知的財産翻訳検定 1級/機械工学 講評
今回の試験は問3の請求項の問題が特に難解で、問3をいかに翻訳するかという力だけではなく、いかに問1、2を卒なく、要領よく翻訳して、問3に集中できるようにするかという力も求められる内容でした。
問1は、本来収監される人が「自宅軟禁」を認められるために着用される「電子足輪」という位置監視装置に関するものです。司法や刑法に関する表現が前半に多くありますが、法域によっては制度が様々です。発明とは直接的に関係のないところに時間を割いて正確に翻訳しようとしても、却って偏った訳文になってしまう可能性もあります。こういった場合は、個々の単語を正確に翻訳することに徹するよりも、全体の文が伝えようとしている内容を正確に伝えることの方が重要だったりもします。
また、日本ではこの制度が導入されていないため、正式な用語自体定まっていないのが現状です。今後、日本での導入も検討されているため、実際に導入された場合にはお役所で正式な用語が選定されることでしょう。いずれにしても、このような用語に関しては、完全な誤訳でない限りは減点の対象としていません。
指示の「英文の冗長なスタイルや細かい表現にとらわれず」は、例年はあまり守られていないのですが、今年は違いました。長い文をそのままズラズラ翻訳された方はほとんどおらず、様々な工夫で二つ、三つに分けている方がほとんどでした。分け方に失敗してむしろわかりにくくなってしまったケースもありましたが、全体的にはよくできていました。
半数近くの受験者が正確に翻訳できなかったのが、device properという表現です。この場合のproperは「適切」という意味ではなく、「本体」や「そのもの」という意味です。これは限られた分野で使われる表現ではなく、自動車(engine proper)や生物(genus proper)など、幅広く使われている用語ですので、覚えておくと良いでしょう。
意外に減点が多かったのが、cutting, burning, grindingの中でもburningです。装置が人体に装着されていて、これをなんとかして外そうとしている人がいます。刃物で切ろうとしたり、グラインダーで削ったり、バーナーやレーザーで焼き切ろうとしたりします。外すために、なんとかして切りたいわけです。そこで、burningの訳語としては、「燃やす」は考え難い候補です。「焼切」、「バーナー等で焼き切る」あたりの訳語が欲しいところでした。
逆に意外にミスが少なかったのが、the surface of the band on the front side (outward side) and the surface on the back side (inward side)のfront/backです。ここでのfront/backは前/後ではなく、表/裏です。前/後を使っても、間違っていないとも言えなくもありませんが、原文にはない方向の概念を導入することになり、揚げ足取りの材料を不必要に作ってしまうことにもなりかねません。
問2は、折りたたみ式ナイフです。参考解答例には、カタカナ用語が随分多く含まれていますが、それはこの分野では正式用語であるためです。他の刃物であれば古代日本から使われている用語はありますが、折りたたみ式ナイフは比較的最近になって日本に入ってきたため、用語も一緒に入ってきたものと思われます。ただ、部位の和名を使っても(例:handleを「ハンドル」ではなく「柄」と翻訳)、間違った部位を指すものでなければ減点はしていません。
全体的によく翻訳できていた方が多かったのですが、刃のactive position / inactive positionで引っかかった方が多かったようです。Active positionを「能動位置」「作用位置」「活動位置」などとした訳が多く見られましたが、開かれた状態でも刃は活動せず、ロックされ固定されています。「展開位置/収納位置」や「使用位置/非使用位置」のような表現が欲しいところでした。
図面の数も参照符号の数も多い問題でしたが、十分に図面を参照しなかったことによると思われる根本的なミスがいくつか見られたのが残念でした。時間に限りがあるし、問3が大変そうだということで焦る気持ちもわかるのですが、5分でも時間をとって図面と文を照合すれば、スムーズに翻訳できる内容です。「急がば回れ」です。
問3は、主に天然石を切削するための切削工具に関する発明を対象とするクレーム翻訳です。用語選択は、権利範囲の解釈に重要な意義を有していますので、専門用語の体系を理解することは重要です。本問の例では、機械加工の体系における「cutting tool」の語の位置づけが重要な意味を持っています。機械加工には、1,切削加工等の除去加工、2.プレス加工等の成形加工及び3.溶接等の結合加工があります。切削加工は、カッターで材料の一部を除去することによって所定の形の形成や切断等を行う加工です。
本問では、JIS B 0170:1993 切削工具用語(基本)に従って「切削工具」と訳せば問題ありません。ちなみに、JIS B 0170:1993では、切断工具は、「cut-off tool」とされています。JISはISOとのハーモナイゼーションが進められており、発明者である技術者は、JISの用語に親しんでいるので当業者が使う用語として優先的に使用することをお勧めします。
一方、「spaced」や「separated」の語を「離間」と訳す方が多かったのですが、過去の特許公報での使用例が多いことが原因だと思われます。「離間」の語は、本来は「仲たがいをさせること。」といった心理的な距離を表す語であり(たとえば東京地裁、平成3(ワ)9782参照)、物理的な距離は、たとえば「離隔」の語を使用することをお勧めします。
最後に、機械工学分野の特許は、2次元又は3次元の空間的な形状が発明の特徴となることがあり、それを1次元的な文字列で表現することに大きな困難を伴うことがあります。
本発明に係る切削工具は、切削片の形状、すなわち円周方向(U)に波状又はジグザグの3次元形状に特徴を有しています。「前記ディスク(10)の回転面内で前記周方向に延びる前記チャネル(22,24)の他の方法では妨げられない連続性をブロック」は、不可解に見える構成ですが、図3及び図4の切削片のジグザグや波状の形状において、切り屑を円滑に排出しつつ削り残しが発生しないようにするための波状等の振幅を定量的に特定するための表現となっています。図3及び図4の回転面の断面形状を考えてみると分かると思います。なお、本構成は、明細書を見ても実施例にサポートがなく、中間処理において図面に基づいて補正されたものと思われます。
問3は非常に難しい問題でした。したがいまして、最後の3次元形状に関する構造表現は、意訳で誤った方向に訳していなければ減点対象としない一方、正確に表現できていれば加点対象としました。受験生のレベルは非常に高く、全体的に忠実に訳せている方が多いことに驚きました。多くの合格者が出たのは喜ばしいことだと思います。
今年は全体としてレベルの高さが感じられました。難解な問3が翻訳できた方が多かっただけではなく、他の問との時間の兼ね合いの中で全体的に良い翻訳ができていました。合格者の数が予想を超えましたし、問1で泥沼にはまって問3が未完成という方もほとんどいなかったことも嬉しく思います。今後が楽しみです。
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1級/化 学
第33回 知的財産翻訳検定 1級/化 学 講評
<はじめに>
NIPTA試験問題は実務で必要な特許英文を想定していますので、一般的な英語試験とはかなり性格が異なります。特許を与える対象である発明は「自然法則を利用した技術的思想」、つまり形のない無体物です。無体物に対して特許権という権利を主張しようとするのですから、発明を表現する文言一語一語が非常に重視され、当然訳文も重要になります。日本の官庁・裁判所は日本語が基本ですので、特許庁へ提出された後の翻訳文が審査・審判において対象となる書類になります。特許権を付与された後に争う場合、英語原文のみを根拠にして主張することは原則的に認められていません(審査・審判官や知財系裁判官は英語に堪能な人が多いですが、裁判は日本国民に開かれているので原則通りに進行されます)。なので、権利化後に国内外で争いが起こったときは、訴訟の相手方(疑侵害者)と権利を争うための証拠資料は翻訳文です。このような理由で、特許翻訳文には明細書やクレームの作成者(発明者、出願人)の意図に従い、文脈だけでなく技術的にも齟齬矛盾がなく、英文に対応する日本語が記載されていることが求められるのです。つまり、実力のある翻訳者になるためには、納入先のクライアントの意向だけでなく、発明者、出願人、特許庁の審査官、審判官、将来の侵害者、(日本や米国の)裁判官がどう考えるか?も頭の片隅で意識しておく必要があります。
最近の英文明細書は、英語を母国語としない発明者が多くなったために難解なことがありますが、理論的に構成されているはずなので、大抵は技術常識の範囲内で理解できます。それよりも、今回の問4で問われたような、手掛かりから技術内容を理解して正確に翻訳する技術が翻訳実務では非常に大切ですし、機械翻訳では決して達成できないことです。記載された技術内容を理解するために努力してください。出願に関する発明は現在最先端の技術がほとんどですから、翻訳対象はとても難しい内容が多くなります。それだからこそ、優れた能力を有する熟練した特許翻訳者が求められているのです。学校で習った専門分野だけでは対応できません。知らない技術は、ネット検索等を利用してできる限り内容を理解して、不得意分野を克服するようにしましょう。技術内容が分からないと、どこまでを修飾しているのかの判断を往々にして間違えて誤訳が発生します。
抜け誤訳は絶対に避けてください。明細書の他の部分に書いていない固有名詞や数字が抜けたまま権利化されてしまうと、その発明の根拠は明細書に記載がない、明細書の記載が不明瞭である等の理由で、裁判所で無効を争われる根拠になります。裁判で争う相手に対して、翻訳ミスを善意に解釈してくれることなど期待できません。分かりにくい英文を翻訳する時には、「英文をその通りに訳しました、ここをこう読めば正確な意味を読み取ることができます」などの弁解を考えるでしょうが、裁判ではこのような説明はできません。「ここをこう読まない限り、正確な意味は読み取れない=多義的記載で不明瞭=記載要件違反で特許性なし」を自認していることになるからです。なので、知恵を絞って技術内容を理解して正確な翻訳をするように心がけてください。
<採点について>
採点では、内容さえ同じならば、受動態を能動態へ変換する、長文を短文に区切る等は不問にしております。但し、文を分割する場合は短文同士の関係が分かるように、接続する副詞等を工夫してください。機械翻訳は参考のためにツールとして利用すべきであり、問題に対する解答は受験者が作製するものです。問題文に対応した内容が翻訳に含まれているか一字一句確認しましょう。わかりやすいこなれた日本文、言い回しはその後についてくるものです。
原則として、同じ英単語には同じ日本語を使うように心がけましょう。例えば問4で、同じものを表すために使っているchamberに対して「チャンバ」及び「室」両方を使うと、読み手は別の概念を表しているのかと混乱します。
改行位置は、明細書作成者の意図に従って決められています。重畳的記載クレームをわかりやすくする等の例外を除いて、原文と同じ場所で行うのが原則です。勝手に改行しないようにしましょう。
解答書式において、半角全角の区別は重視しませんが、カタカナの半角は見にくく、印刷でつぶれやすく、翻訳の確認に負担が大きいので好まれません。一方、文字の下付き、上付きには意味がありますのできちんと区別してください。問題文にNH2と書いてあるのならその通りに記載すべきであり、NH2は良くありません。その他、ギリシャ文字、アルファ、ベータ、ガンマ、ミュー、ファイ等は、特許庁が認めているJIS規格のフォントを使ってください。問3記載の「〇」+「T」を一文字として表すトレードマーク記号は、特許庁への提出文書では認められません。英文に「º」及び「C」を続けて書いてある表記はそのまま利用せず、JIS規格の「℃」を使ってください。書式を守らない翻訳者は、クライアントに相手にされません。
翻訳者は提出前の確認作業で英文と比較しながらチェックするはずですが、翻訳を受領した事務所も翻訳チェックを行います。チェックは英文と比較しながら行うので、英文の後ろに記載されている部分を文頭に持ってくるのは負担になります。負担軽減のために「・・・となるために・・・する」ではなく「・・・すると・・・となる」のような英語の順番と同じになる書き方も考えてみてください。
<各問について>
問1では(問4も同様)、opticsに用語「光学素子」を使用される解答が複数ありましたが、「素子」は、一定の機能を有する機器構成要素(単数又は複数)であり、装置・機器や技術より小さな概念となります。なのでこの場合は適切な訳語とはいえないでしょう。光の反射や屈折などの性質を利用する器具や装置の総称である「光学系」だけでもよいと思われます。問1で英文では不用意にprior artを使っていますが、特許翻訳では特にセンシティブな用語「先行技術」とせずに「従来技術」と訳すのが好ましいと思われます。Thylakoid(ヒット数2540000)の誤記と思われ、辞書にない単語Thilacoid(ヒット数147)をカタカナのみで「チラコイド」と表記すると、万一「チラコイド」が間違っていた場合の補正がしにくくなります。このような場合は後ろに括弧書きで原語を記載すると安心です。
問2で「脂肪酸またはステアリン酸エステルなどの脂肪酸エステル」は小概念なので「脂肪酸若しくはステアリン酸エステルなどの脂肪酸エステル」とするべきでしょう。テレビCMにも出てきますが法律用語「及び/並びに」等の使い分けは常識ですので調べてください。fluoro系groupにはoptionallyとあるので、if desiredはその後ろのhexaorganodisiloxane等を修飾していると考えられます。明細書作成者がわざわざfiller(s)やagent(s)と書いているので、「1又は複数の」や「(複数を含む)」などと訳しましょう。このような点を区別したがる明細書作成者の記載「polymers (i) and (i) (a) if the latter is present」では、ポリマー(i)(前者)とポリマー(i) (a)(後者)を区別しており、後者が存在しないなら「ポリマー(i)のみ」、後者が存在するなら「ポリマー(i)及びポリマー(i) (a)」を表していると思われます。such as lower viscosity and stability in viscosity during storage of the uncured compositionsに関し、「during storage」はlower viscosityに係らないとするほうが、取扱時、保管時、硬化後それぞれのレオロジー挙動に関するものとなり、場面の切り分けがすっきりします。しかしこの文章からここまで読み込むのは困難ではないかと思われ、減点対象ではなくlower viscosityは「during storage」の場面ではないように読める解答へ加点することにしました。
問3の実施例の文章は、発明の成立性を考える時に、実際に実験が行われたかどうかの判断材料になります。翻訳者としては原文の動詞の未来形(推定等)、現在形、現在完了形、過去形は「そのまま」訳すのが好ましいでしょう。現在形で書いてあることが「実施していない直接的な証拠」とされるわけではなく、記載全体から総合的に判断されます。本問では、現在形で書いてあっても、結果データが記載されているので実験が行われたと判断されるはずです。as described in Reference A to obtain N-carbobenzyloxy-4-hydroxy-L-prolineとありますので、参考文献AはN-カルボベンジルオキシ-4-ヒドロキシ-L-プロリンの合成法に関する文献であって、「濃塩酸を作用させる操作」のみを書いてある文献ではないと思われます。実験操作の翻訳は、経験者なら簡単に理解できても知らない人は苦労します。化学合成における、混合、還流、二液相抽出、有機相の塩水による数回洗浄、固体洗浄(リスラリー等)、乾燥、ろ過、エバポレーション、溶解、再結晶、再沈殿(triturationはその場面に応じて翻訳するか、トリチュレーションとするのが無難)その他は、ネットなどで実際に作業している映像や詳しく説明しているサイトがあるでしょうから探して確認してください。本問ではわかりやすくするため、原文の温度単位「°」を「℃」と変更しました。「°」は摂氏か華氏か不明である一方、「℃」又は「ºF」はそれぞれ摂氏又は華氏のみを表しているので区別してください。CAS番号13504-85-3(trans-N-Carbobenzoxy-4-hydroxy-L-proline)の融点は104℃前後のようですから、不純物混入による融点降下減少を考えると、生成物(a)の融点193º-195ºは華氏(ºF)で表示されているのかもしれません(104℃は219ºF)。一方、CAS番号64187-47-9(N-Carbobenzyloxy-4-keto-L-proline) の融点は95℃ですので生成物(b)の融点99º-101ºは摂氏で表示されているのかもしれません。実際の翻訳でここまで調査する必要はありませんので、「原文通り」が一番賢い選択です。一部解答者のコメントにもありましたが、原文には塩酸の規定N数が書いてありません。従って「そのまま翻訳するのが正解」ですが、1NをNと省略記載することもあるようですので1Nと記載してあっても減点はしていません。The saltやThe solutionを「この塩(溶液)」ではなく、theを無視して訳すのはどの塩、溶液を指しているのか少し不明瞭になります。Wikiなのでそれほど信頼性はないかもしれませんが、現在「ワークアップ」は日本語化しておりクエンチ等の意味で使われているようです。操作(a)の生成物glassは物質の状態を指す場合と特定の物質の種類を指す場合があり、この場合は有機化合物であることは明らかなので明確にするために「ガラス質物質」、せめて「ガラス質」と書いていただきたかったところです。
問4は装置の説明なので、化学系の解答者には苦手意識があったようです。しかし、英文の解読はどの技術分野でも同じ手法が利用できますので翻訳の基礎ができていれば、正確に翻訳できるはずです。本問は、「;」、「,」、「and」の位置など手がかりがたくさんありますので、それらに着目して内容を解読して翻訳して下さい。2つのchamberは同じカテゴリーだから「:」で区切られた2つの部分はそれぞれのchamberを説明しているはずですし、2つのsystemは同じカテゴリーだから、両方ともthe pressurized reaction chamber がcontainingする対象物でしょう(2つのsystemの間にはandがあるはずだが原文では欠けているのではないか?との疑問も生じます)。本問では、装置の構成要素の関係を理解するために説明英文と図面を付けています。慌てずに「大きな構成要素から把握していくのが基本」です。例えば、a pressurized reaction chamber 16(下図)は何を備えていて、その中で何が行われているのか(boron containing target 36、a source of pressurized nitrogen 7 and a moving belt condenser 29 apparatus)、a hutch chamber 20(上図の左側の大きな区画)は何を備えているのか(a target feed system 9, a nitrogen control system)、並びにその他(a laser beam 12 and optics; and a safety shield 2)。解答時間は限られていますので、翻訳不要の参考部分は機械翻訳にかけ、分かりにくいところ(何が構成要素か、構成要素同士はどんな関係か)を説明している部分の目星をつけて、「その英文を読んでわかりにくいところを理解してから」解答を作製すると、時間の省略になるかもしれません。ステップe.の「collecting」 boron nitride nanotubes「on」は、辞書と[0024]のThe belt surface 30 acts as a filament nucleation site.を参考にすると、ベルトの上にナノチューブが「積もる、たまる」ようにする意味だと思われます。
<おわりに>
現在の特許翻訳者には正確さだけでは足りず、早さも要求されるようになっています。翻訳者の方々がどんどんネットデータやソフトを使いこなして省力化を行い、早く仕上げるようになっているからです。しかし、高価なソフトを購入することはさしあたって必要ないでしょう。無料で利用できるネット機械翻訳(クライアントによっては秘密厳守のためネット機械翻訳を禁止するところもありますが)やネット辞書、技術資料などを利用する技術、不正確な情報と正確な情報を見分ける技術を磨いてください。ワードの置換機能を利用して、大量の置換操作をマクロで自動で行ってくれる有料ソフトもあるようです。このようなソフトを利用する場合、対訳言語の選定等どこかに見逃しがあっても発見できないことが多く、ミスを防ぐためには常にマニュアルで逐語的に確認することが求められます。今までのNIPTA総合講評にもいろいろ記載してあると思いますので初心者の方は確認してみてください。一級合格者の中には合格したことで実力を認められ、キャリア形成に非常に役立ったとおっしゃる方もいらっしゃるようです。今回不本意な結果になられた受験者の方々がこの講評を利用して更に研鑽を積まれ、優秀な翻訳者となられるように願っております。
問題(化学)PDF形式
参考解答訳(化学)PDF形式
1級/バイオテクノロジー
第33回 知的財産翻訳検定 1級/バイオテクノロジー 講評
【問1】
問題文はヒトの免疫系が様々な抗原を認識する多様性を獲得するメカニズムの一部を説明した文章です。免疫系を理解していれば難しくない一方で、免疫系の原理を知らない場合は、用語や各要素の関係について調べなければならない事項が多くなります。第7文の"Hence ..."は主語も動詞もない一文ですが、"Hence the name."など英語圏の文章で時々でてくる表現です。直訳だと意味が通らないため、段落全体の文脈を掴み、一工夫して訳して欲しかった箇所です。第8文の"The CDR3 is the portion of these receptors that is most involved in interactions with ..." は、CDR3の重要性を強調した一文ですが、文章の力点が訳に反映されていない答案が目立ちました。
【問2】
冒頭の"more than one"は、個人翻訳者が誤訳することが多い表現であり、第1文ではこれを正しく訳せるかを見ました。「1よりも多い」或いは「2以上」と訳す必要があります。2以上でないと、マルチプレックスPCR増幅になりません。第4文の"nucleic acid encoding serine/threonine kinases or their complement"は、代名詞theirが複数系となっておりkinasesを指しています。complementは元来、something that completes somethings elseという意味があり、文脈からも、ここでは全キナーゼ関連タンパク質の中の、明らかなキナーゼ以外のものを指していると考えられます。「キナーゼの相補体」でも減点はしませんでしたが、「キナーゼ類似体」とするなど何かしら訳を工夫して欲しいところです。
【問3】
characterize とは、どのようなことをしているのかがわかるように、Aptamer Characterizationを参考資料として付けておきました。多くの辞書では、characterize とは「特徴づける」とされていますが、「特徴づける」という日本語の意味は、例えば「彼の絵を特徴づけるのは、この色使いにある」というように、「独特のものにする」ということですが、characterize は、実験科学で用いられると、「特徴を分析して明らかにする」という意味を持ちます。
アプタマーを選択するときには、非特異的に結合するものを除くため、目的以外のタンパク質を用います。それが、in competition with SSX4, SSX2, PBP, KLK2, and SPDEF recombinant proteins の意味であり、そのことが分かるように訳す必要があります。
【問4】
inactivate は、活性化しているものを不活性にする、という意味ですが、deactivate は、不活性なものを活性化させなくする、という意味です。ネット辞書では、「非活性化」と書かれているものもありますが、「非」とは、本来「~にあらず、~ではない」という意味です。日本語で「非活性化」の意味は容易に且つ明瞭に理解できるでしょうか。辞書(特にネット辞書)の訳語がすべて正しいわけではありません。日本語として理解できないものは、訳語として使用できません。
apply sufficient heat energy のapply を「(熱エネルギーを)適用する」と訳している人が過半数でしたが、これはコロケーションを無視した訳語です。熱エネルギーは、与えたり、加えたりするものであって、適用するものではありません。これは、heavy rainを「重い雨」と訳しているようなものです。辞書の訳は、その語の意味ではなく、ある文脈における訳例にすぎません。文脈が変われば、訳語も変わる場合があるでしょう。「エネルギーを適用する」が逐語訳で、「エネルギーを与える」は意訳であると勘違いしている人がいますが、翻訳とは、異なる言語で同じ情報を言い替える作業であることを理解してください。そうすれば、「エネルギーを適用する」が誤訳であることがわかると思います。
問題(バイオテクノロジー)PDF形式
参考解答訳(バイオテクノロジー)PDF形式
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